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Yuka Tanaka

 

持続可能な社会構築のあり方を探るべく参加したスタディーツアー。エストニアといえば、高い教育水準を誇る安定した民主主義国家で、私の好きなロシアに近いというイメージが強く、日本よりもさまざまなことが進んでいるのだろうなとツアー参加前は思っていた。ツアー中には何箇所かの学校に見学に行った。日本と異なり1クラス10人程度の小規模な授業が小さな教室で行われていて、教師と生徒の距離が学年問わず近いことはとても印象的だった。ICT教育も小学生からカリキュラムに入っており、電子国家のイメージ通りの教育が行われていると感じた。第3外国語の学習も早くから行われていた。ただ先進的な取り組みの一方で、いじめや中退、スマホ依存など日本と同じような問題を抱えていることもわかった。

エストニア滞在中はタリン、タルトゥの街を何度も歩いた。第一印象はとにかく美しい。みんなが憧れのヨーロッパの街そのものであった。エストニアは高いビルが非常に少ない。滞在中エレベーターどころかエスカレーターすらめったに見かけなかった。日本を含め、先進国の新しい高層ビルが立ち並ぶ光景よりも、エストニアのように古い建物を街づくりに活かしていく、そんな光景の方が私は好きだと感じた。持続可能な社会構築というツアーの観点から見ても、この姿勢は見習うべきだと思った。ただ私はふと「身体に障がいを持つ人たちはこの街を不便に感じないだろうか」と疑問に思った。ビルはエレベーター備え付けのところが少なく、階段利用が主流。街には坂も多く、道は石畳みだ。バリアフリーの観点から見ると、エストニアは暮らしにくい国なのかもしれない。

今回のツアー、実はエストニアだけでなくドイツのダンプで行われたBaltic Sea Projectにも参加してきた。初めてのヨーロッパ陸路移動。わたしはシベリア鉄道に乗車するなど移動は好きで、ワクワクしていた。しかし楽しい気分もつかの間、バス移動は想像以上に厳しかった。2日でなんと30時間、しかも電車と違い歩き回れない!非常に辛かったが、忍耐力を高める、今思えば良い経験だ。長いバスの旅を乗り越えたらバルト海に面したダンプに到着し、workshopに参加した。ドイツやポーランド、フィンランドやバルト三国などバルト海を囲む国々の学生や教員が参加し、さまざまなテーマについて議論を交わした。私は丸山先生のworkshopに参加し日本の教育の問題点を共有し、最後には「どうすれば高いレベルで心身の健康を維持できるか」について議論を交わした。自分より若い高校生が会場の設置やパーティーの進行などを行っており、感心してしまった。

 私はツアーを通して「学ぶことは楽しい」ということを思い知った。学校の授業見学、同世代の若者とのディスカッション、湿地探索、すべてが私には新鮮で楽しくて仕方なかった。この楽しさを改めて教えてくれた本ツアーは、私にとって非常に有意義だったと感じる。

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