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Reina Iiyama

 

初めてのことばかりの十日間だった。まず、ヨーロッパにいくのが初めてだった。一年の夏にインドに行き、今後海外に行くなら台湾、タイ、シンガポールらへんがいいかな、などと考えていたのでまさか自分がヨーロッパに行くなんて思ってもいなかった。しかし、乗り継ぎのフィンランド空港からムーミンファンの血が騒ぎ、エストニアに降り立ったときには「ヨーロッパ最高」なんて思っていたので、何事も行動してみないと分からないものだ。
 湿地に行ったのも初めてだった。スポンジボブの世界にありそうな感覚の湿地(共感してくれる人はいることを願う)を長いこと歩き、どのように調査が行われているのかを実際に体験した。風邪と寒さで意識が遠のいて行くのを感じながら湿地を歩いた上智生は数えるほどしかないだろう。風邪でもなんとかなる体のタフさに驚いた。
 自然つながりでいうと、エストニアでは日常の中に自然が取り入れられていることが記憶に残った。お店には花が飾ってあり、木も多く、「自然と共に生きていく」という精神を感じ取った。帰国してから自身の生活にいかに緑がないかを実感し花を買いに行ったほど、自然のもたらす癒し(スピリチュアルな言葉になってしまうが)が自分の中で大切になった。
 初めて見たものが多い中、見慣れたものもあった。それは電子機器を利用した授業である。私は小中高一貫の学校を卒業しており、そこの特殊な校風により電子機器が用いられることが多かった。したがって、それに驚いているツアー参加者に逆に驚いた。現地の高校では電子機器が多用されることで起こっている問題について言及されていたが、それは私の卒業した学校でも起こっていたことであり国が変わっても同じなのだと気付かされた。
 一方、養護学校にははじめて足を踏み入れた。床に○や×などの記号が書かれていたり、そこで身体を使って学べるようになっていたり、見たことのない教育が繰り広げられていて、人の数だけ教育があり、「教育」をイメージで語ってはいけないと自分を戒めた。
 BSPでは、丸山教授のグループに参加し、そこではグループディスカッションの機会が設けられており自分の発言をちゃんと理解しようとしてくれる現地の方々の存在がありがたかった、そのような場では自分も意見を発信することができた。「自分は英語ができないから」と黙っていてはなにも伝えられなくなってしまうと痛感した。

 インドでも体調を崩さなかった私がエストニアで体調を崩し、「体が資本」という言葉の意味をひしひしと感じた10日間であった。そんな中でもエストニア、ドイツの生活は新鮮で刺激的で部屋にこもってなどいられないほど充実したものであった。(ずっと寝てた日もあったけど)エストニアサークルに入ったので、雪の降るエストニアにも行きたい!

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